宅建の取得からスタート!不動産業の開業に必要な手順とは?
不動産業を開業したいと思っている方のために、宅建取得から法人設立・開業にいたるまで、不動産業を始めるにあたって必要となる手順を紹介します。不動産業を開業するには、宅建業の免許の取得、営業の拠点となる事務所探しなど、さまざまな準備が必要です。元手となる資金も用意しなければなりませんし、法人化するにはいろいろと条件もあります。一朝一夕にできるものではないので、税理士や会計士などのプロに相談しながらコツコツと準備を進め、計画的に動くことが大切です。
「宅建士」の資格を取る
不動産業を始めるには、宅建士(宅地建物取引士)の資格が必須です。宅建士の資格は経営者を含めた5人に1人の従業員が持っていなければならないので、5人以上の従業員を雇う場合は、自分以外にも宅建士の資格保有者を雇う必要があります。
「事務所」を探す
インターネットだけで営業する特別な不動産業者を除いて、不動産業を開業するには店舗となる事務所を持つ必要があります。事務所の場所は、駅前や商店街など、立地条件が良いことが非常に重要になります。また、不動産業者が事務所を借りるとなると、訪問先の不動産会社から嫌がられたり、イメージ的に敬遠されたりするケースもあるので慎重に話を進めなければなりません。事務所はマンションでも戸建てでも構いませんが、事務所内に接客スペースを設置できる物件を選ぶことが大切です。
「法人」を設立する
不動産業は個人でも開業できますが、お客様や取引先からの信用度を考えると、やはり法人化しておいた方が仕事を進めやすいでしょう。個人事業主と株式会社では、まったく信用度が違います。会社の設立には法律上のさまざまな条件があり、それをクリアしてから手続きに進む必要があります。この手続きは複雑なので、会計士や税理士などのプロに相談しながら進めていくのが賢明です。
「宅建業」の免許を取得する
宅建の資格とは別に、不動産業者として宅建業(宅地建物取引業)の資格も所得しておく必要があります(自ら所有する不動産の賃貸、不動産コンサルタントなどの仕事は、取引にはあたらないので宅建業の免許は必要ありません)。
免許の申請は各都道府県庁の宅地建物取引業担当課で行い、申請が受理されるまでには4~6週間ほどかかります。複数の都道府県に事務所を設置する場合は、国土交通省に申請をします。免許の申請には、過去の犯罪歴や破産歴がないなど、いくつかの基準が設けられています。無事、宅建業の免許を取得できると、その免許は5年間有効になります。有効期間が満了するときは、満了日の90~30日前までに更新手続を行わなければなりません。
「営業保証金」を用意する
不動産取引を始める際は、万が一、顧客に重大な損害を与えてしまったときのために、営業保証金を用意しなければなりません。保証金の金額は1,000万円ですが、全国宅地建物取引業保証協会に加入すると、少ない預入金額で営業をスタートすることができます。
「宅地建物取引業者票」を提示する
不動産業を開業するには、免許証番号や免許証の有効期限などを記した「宅地建物取引業者票」を提示しなければなりません。また、宅建業者が上限以上の報酬を請求することのないよう、見やすい場所に報酬額も提示しておく必要があります。
「従業員名簿」を備え付ける
事務所ごとに従業員名簿を備え、取引関係者から請求された際には、名簿を閲覧させる義務があります。また、取引ごとに日付と所在地・物件の面積などを記録し、紙の帳簿かパソコン上の帳簿として残すことも義務付けられています。帳簿は事業年度末に閉鎖後、5年間は保存しなければなりません。
宅建業法に則り、慎重に開業の準備を
今回は、ごく一般的な不動産業の開業手順を紹介しました。しかし、ひとくちに不動産業といってもさまざまな職種があり、それに応じて必要な資格も異なります。不動産業は他の業種に比べて大きなお金が動く取引が多いため、それだけ法的なトラブルにつながる可能性も少なくありません。宅建業法に則り、必要に応じて税理士や会計士などのプロに相談しながら、慎重に開業を進めることが大切です。
業プロ株式会社 広報担当
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